如何にして心配するのを止めて北海道ワインを愛するようになったか
この夏は黒猫のラベルで有名なモーゼルの安ワインを愛飲していたのだが、当たり外れが激しいのには閉口した。特に某大手スーパーで円高差益還元と称して700円以下で売られていたものはひどく、くたびれはてていてがっかりした。安物にはそれだけの理由があということを改めて思い知らせてくれ、大手でも量販店では注意して買うことが教訓になったのだが、あまり得した気分ではなかった。
くりかえすが*1Q.b.A. とラベルに印刷してあってもそれだけで味が保証されている訳ではない。3年も前に瓶詰めされたものが、いったいどういう経路をたどって、この夏の猛暑の中でどんな風に保管されていたかは、想像したくもないし、ましてや安売りだ。
そして今日、疲れ果てた安売りの黒猫を、気の毒なので見ないようにしながら、近くの棚から北海道ワイン「おたるナイアガラ2009」の残っていた6本をすべて買い占めた。そして夕食で華やかなフレーバーを楽しみながら、同時にこれが近くの店で定番になっていないことを残念に感じた。
どんなに良いワインでも真夏、自動車のシートに一週間も放り出しておけば、壊滅的な代物に化けさせることができる。残念なことはそれに近い状況は簡単に作り出すことができ、最低でも定温で輸送することは距離が長くなればなるほど難しくなる。
ワインは果物であり、銘柄以上にそれを売る店を選ばなければならない、というのはどんなワイン入門書にも必ず書かれていることだが、その数少ない例外が北海道ワインだ。全製品が北海道産100パーセントのブドウで作られていて、海外のものほど輸送距離の影響を受けにくいせいか、量販店でもこれまで外れを引いたことがない。
悩みはとしては関東で常時売っている店が無く、見つけたらその場で持ち帰られるだけ買わねばならないことだろう。今日はずいぶん重たい思いをしたものだったが、それだけの成果はあった。