Chakin diaries

ダイエット日記

最近読んだ本と中国私論

中国ビジネスが悪夢になるとき。注目のビジネスルポ『だまされて。』の著者ポール・ミドラーに訊く

http://wired.jp/2012/05/17/poorly-made-in-china/

だまされて。―涙のメイド・イン・チャイナ

だまされて。―涙のメイド・イン・チャイナ

さらに補足するならば中国は、法の不遡及(遡及処罰の禁止)を国家として明言していない。
詳しくは、

法の不遡及Wikipedia

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B3%95%E3%81%AE%E4%B8%8D%E9%81%A1%E5%8F%8A

に解説を譲るが、
これが中国でのビジネスでの極端な例でいうと、あなたが十年前にやった取引は、今日公布された法律に違反するので、いまから全財産を没収します。
ということが起こり得るのである。
断っておくと、これは外国人だけではなく当然、中国人自身にもあてはまる。
成立過程の良くわからない法律や、省令・規則によっていつ全財産を巻き上げられるかわからない国において、将来的な利益よりも、目の前にある現金を優先するという態度は理にかなったものだと言わざるを得ない。
また、このような社会システムへの不信は普通ならば、それ以外の血縁・地縁・民族・宗教への依存となるのだが、これまでの中国共産党の歩みは、それらの近代以前の有り様を打破しようとしてきたものであり、このベクトルは最近起こった党幹部の失脚事件からも衰えていないことがわかる。
経済成長と社会的の成熟が乖離することはどの国も経験し、その手痛い過程において法の不遡及などの社会制度が整えられていく、というのがこれまでの世界史の通例であったのだが、グローバル化した市場経済という人類史上未曾有の状況のなかで、隣の超大国の状況によって何が日本にもたらされるのか。
きっと訪れる、想定外の事態において、それでも最低限護るべきものはなんなのか、私たちは早急に備えなければならない。